こんにちは☀
ガイソー横浜港南店・町田店です!
前回の水性塗料・油性塗料に続いて、今回は「1液型塗料・2液型塗料」それぞれの違いやメリット・デメリットについて解説したいと思います!
「水」性塗料や「油」性塗料と違って、1液型塗料・2液型塗料だけだと一体どのような塗料なのか見当がつきにくいですが、塗料の特徴や性質を左右する重要な要素となっていますので、しっかり確認していきましょう。
1液型塗料とは?
1液型塗料とは、主剤に希釈剤を混ぜて薄めることで使用できる塗料のことです。
主剤とは顔料と添加剤、合成樹脂が1つになった塗料のことで、希釈剤は水やシンナーなどを指します。
希釈剤として水とシンナーのどちらを使うかによって、水性塗料・油性塗料それぞれに分けられます。
1液型塗料は硬化剤を混ぜずに使用しますが、あらかじめ主剤と硬化剤が混ぜ合わされた状態で販売されているため、そのまま問題なく塗装することができます。
*添加剤…塗料に様々な機能を追加するために混ぜられる成分のこと。
乾燥剤や艶消し剤、防カビ剤など数多くの種類が存在する。
↓ 1液型塗料の例(プレマテックス株式会社(https://www.prematex.co.jp/)「コットンフィラー」)
1液型塗料のメリット
2液型塗料と比較したときの1液型塗料のメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 価格が安め
- 硬化剤を混ぜる必要がないので扱いやすい
- 余っても使い回せる
主剤塗料+希釈剤とは別に硬化剤も必要となる2液型塗料に比べて、1液型塗料は既に硬化剤が入れられているので硬化剤を購入する必要がありません。
そのため、2液型塗料よりも1液型塗料の方が価格は安くなりやすいです。
また、硬化剤を混ぜる必要がある2液型塗料とは違って、1液型塗料は希釈剤を混ぜればすぐに使用できます。
主剤塗料と硬化剤の割合は塗料ごとに決められているので、硬化剤はどれぐらい必要なのかを事前に調べてきっちりと量らなければなりませんが、1液型塗料であればその必要はありません。
そのような1液型塗料は塗装初心者でも扱いやすいことから、DIY用に販売されているペンキの多くが1液型塗料となっています。
そして、1液型塗料は硬化剤を混ぜずに使用するので、当日中に使い切ることができなくても次の日に使い回すことが可能です。
前回の記事の「水性塗料のメリット」の項でも少しお話ししましたが、2液型塗料の主剤と硬化剤を混ぜ合わせると、その時点で塗料がどんどん固まっていき、数時間も経てば塗装に使うことができなくなってしまいます。
1液型塗料であればそのようなことは起こりませんので、塗料を無駄にしてしまうことがありません。
ただし、1液型塗料には硬化剤が一切入っていないというわけではなく、あらかじめ適量で混ぜ合わされているというだけなので、少しずつではありますが塗料が硬化していきます。
2液型塗料のように数時間で固まってしまうことはありませんが、使い回せるからといって半年~1年以上も保管できるというわけではないので、やはり開封後は早めに使い切るのが無難でしょう。
1液型塗料のデメリット
2液型塗料と比較したときの1液型塗料のデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
- 耐久性が低め
- 塗装できる箇所が限られる
1液型塗料は既に硬化剤が混ぜ合わされていますが、開封前から塗料が固まってしまわないように、ゆっくりと化学反応を起こすように調整されています。
そのため、すぐに化学反応を起こす2液型塗料よりも塗膜の密着性が低く、耐久性・耐候性に劣るとされます。
塗料における耐久性とは、塗膜に備え付けられた機能の持続性のことを指しており、耐候性は、屋外で使用した際に紫外線や雨風、温度変化などの自然環境にどれだけ耐えられるかを示しています。
そのどちらも劣っているということは、塗膜の劣化も2液型塗料よりも早く進行するということになります。そのため、短スパンでのメンテナンス工事が必要となり、費用と手間がかかりやすくなってしまいます。
また、1液型塗料はその密着性の低さから、2液型塗料よりも塗装することができる箇所が少なくなってしまいます。
1液型塗料で塗装できる下地は、サイディングボード、セメント・モルタル、コンクリート、それぞれの既存塗膜のみです。
これらの下地以外に1液型塗料で塗装しても、塗膜が綺麗にくっ付かずに2~3年程度で剝がれてしまう可能性が高くなります。
ご自宅の塗装部分がすべてサイディングボードやモルタルで出来ているなら1液型塗料でも問題ないですが、もし鉄部や金属部も塗装したいとなれば、専用の塗料をそれぞれ別に用意する必要があります。
鉄部、金属部があるご自宅の場合は、2液型塗料の方が向いていると言えます。
2液型塗料とは?
2液型塗料とは、塗装直前に主剤と硬化剤、希釈剤を混ぜ合わせて使用する塗料のことです。
塗料ごとに混ぜ合わせる硬化剤の量が決まっているので、混合比率に気を付けて作業する必要があります。
↓ 2液型塗料の例(「ガイソーウォール無機ACE」http://www.gaiso-machidaten.co/style/kabe/kabe13/)
2液型塗料のメリット
1液型塗料と比較したときの2液型塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 塗料の密着力が強いので、耐久性・耐候性に優れている
- 様々な箇所に塗装することができる
- 混ぜる前は長期間保管できる
2液型塗料は使用直前に硬化剤を混ぜ合わせることから、化学反応が強く起こります。
化学反応によって強力な密着性を持った塗膜を作り出すため、1液型塗料よりも耐久性・耐候性に優れています。
防水性、防カビ性のように塗膜に備えられた機能が持続し、紫外線や雨風の影響を受けにくい塗膜にすることができることから、長きにわたって綺麗な外観を保ち続けることが可能です。
塗料によっては15~20年以上も外壁の光沢を維持できる場合もあります。
また、2液型塗料はその密着性の高さから、下地を選ばずに塗装することができます。
1液型塗料が塗装できるサイディングボード、セメント・モルタル、コンクリートはもちろんのこと、鉄部、金属部、スレート、アルミニウム、ALCパネルなど、非常に多くの箇所に塗装可能です。
「家の一部分のために専用の塗料を購入したが、塗料が余って無駄になってしまった」ということが起こりにくいので、結果として1液型塗料よりも費用を抑えられる場合もあります。
そして、2液型塗料は使用直前まで硬化剤が入っていないので、混ぜる前は長期間保管することができます。
ただし、硬化剤は紫外線や高温に弱いので、保管場所や方法に注意する必要があります。
2液型塗料のデメリット
1液型塗料と比較したときの2液型塗料のデメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
- 価格が高め
- 硬化剤を混ぜる必要があり、手間がかかる
- 混ぜたらその日のうちに使い切る必要がある
既に硬化剤が混ざった状態で販売されている1液型塗料に比べて、主剤塗料+硬化剤という形式で販売されている2液型塗料は価格が高くなりやすいです。
また、何度も話している通り、2液型塗料は使用直前に硬化剤を混ぜ合わせるため、開封後すぐに塗装を行うことはできず、計量や攪拌などの手間がかかってしまいます。
とはいえ、お客様ご自身ではなく職人による塗装工事であれば、このデメリットは大した問題とはならないでしょう。
2液型塗料は、硬化剤を混ぜ合わせた瞬間から塗料が固まっていくので、3~5時間程度で塗装に使えなくなってしまいます。
翌日以降に使い回すことができないため、当日中に使い切る必要があるのですが、急な悪天候などで塗装自体が不可能な状況になり、余った塗料がすべて無駄になってしまう可能性もあります。
まとめ
以上、「1液型塗料」と「2液型塗料」それぞれのメリット・デメリットについて解説させていただきました。
耐久性・耐候性の高さ、下地を選ばず塗装できる汎用性の高さなどから2液型塗料の方をおすすめいたしますが、1液型塗料はその安さから頻繁に塗り替えができるというメリットもあります。
「気軽に家のイメージチェンジがしたい」のか「外壁を長く綺麗に維持し続けたい」のかによって、1液型塗料・2液型塗料を選ばれることをおすすめいたします!