長期間にわたってエコキュートを使用していると、様々なトラブルが発生することがあります。
今回のコラムでは、「エコキュートのよくあるトラブル」について解説していきたいと思います!
エコキュートの買い替えや修理を検討されている方はぜひ参考にしてください。
エコキュートのよくあるトラブル
エコキュートのよくあるトラブルとして、以下の5点が挙げられます。
- エコキュートのお湯切れが発生した
- 配管が凍結する
- お湯はりすると湯舟に黒いゴミが浮かぶ
- エコキュートのお湯が臭い
- エラーコードが表示される
エコキュートのお湯切れが発生した
エコキュートのお湯切れとは、「貯湯タンク内のお湯をすべて使い切ってしまった状態」のことを指しています。
エコキュートは空気中の熱とわずかな電気を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」を採用しており、お湯の使用量が少ない深夜に翌日分のお湯を沸かして貯めておくという仕組みになっています。
ガス給湯器や電気温水器のように短期間でお湯を沸かすことができないので、貯湯タンク内のお湯をすべて使い切ると、再び溜まるまでお湯を使用できなくなってしまいます。
お湯切れの対策方法として、以下の3点が挙げられます。
- エコキュートの設定を変更する
- 追い焚きではなく高温足し湯機能を使用する
- 使用量に合ったタンク容量に変更する
①エコキュートの設定を変更する
エコキュートには学習機能が付いているものが多く、普段のお湯の使用量に合わせてお湯を沸かしています。
普段の使用量のままだと冬場はお湯が足りなくなるという場合は、エコキュートの設定を変更して夜間に沸かすお湯の量を増やすようにしましょう。
②追い焚きではなく高温足し湯機能を使用する
フルオートタイプのエコキュートには「追い焚き機能」が搭載されています。貯湯タンク内の熱を利用してお湯を温め直すので、水道代を節約できるというメリットがあります。
しかし、貯湯タンク内の熱を多く利用するのでお湯の減りが早くなるといったデメリットも存在します。
そのため、追い焚き機能ではなく「高温足し湯機能」でお湯を追加した方が結果的にお湯切れを防止することができます。
③使用量に合ったタンク容量に変更する
お湯切れが頻発に発生するのであれば、貯湯タンクの容量が合っていない可能性があります。
一般的に3~4人家族の場合は370L、4~5人家族の場合は460L、5~7人家族の場合は550Lのエコキュートがおすすめとされています。
ご家庭に合ったタンク容量が分からない、上記の目安だとお湯が不安であるといった場合は、エコキュート専門業者に相談されることをおすすめいたします。
お湯切れが発生すると、しばらくの間お湯が使えなくなるので季節によっては死活問題であると言えます。
エコキュートを使用するにあたり、お湯切れはなるべく避けたいトラブルです。エコキュートの設定を見直したり、ご家庭に合った機種を選ぶようにしましょう。
配管が凍結する
エコキュートとお風呂をつないでいる配管は、気温が氷点下にまで冷え込むことで凍結してしまう可能性があります。
配管が凍結すると、お湯が使えなくなったり破裂してしまうため、寒冷地にお住まいの場合は凍結対策を講じる必要があります。
エコキュートの配管の凍結による問題として、以下の2点が挙げられます。
- お湯が使えなくなる
- 配管が破裂し、漏水が起こる可能性がある
①お湯が使えなくなる
配管が凍結するとお湯が使えなくなり、お湯はりも不可能となります。
貯湯タンクにお湯が溜まっていたとしても、配管が凍結している限りはお湯を出すことができないので注意が必要です。
②配管が破裂し、漏水が起こる可能性がある
水が残ったままの状態で配管が凍結すると、水の膨張によって破裂してしまう可能性があります。
破損箇所から水が漏れることで、エコキュート本体の故障につながる危険があることから、配管の破裂が起こったら一刻も早い補修工事が必要となります。
配管が凍結するとお湯が使えなくなるだけでなく、漏水によってエコキュート本体が故障してしまう可能性もあります。
メーカーによっては「凍結予防運転」「凍結防止機能」を備えた寒冷地仕様のエコキュートを取り扱っているので、寒冷地にお住まいの場合はそちらの機種を検討されてみてはいかがでしょうか。
お湯はりすると湯舟に黒いゴミが浮かぶ
長期間にわたって使い続けたエコキュートでお湯はりを行うと、湯舟に黒い粒状のゴミが浮かぶことがあります。
この黒いゴミが人体に悪影響を及ぼすといったケースはほとんどありませんが、ゴミが浮いている湯舟に浸かるのは抵抗がある……という方が多いと思います。
エコキュートでお湯はりをした際に発生する黒いゴミの正体として、以下の3点が挙げられます。
- 劣化した配管のゴム
- 配管の汚れ
- 配管のサビ
貯湯タンクと浴槽をつなげている配管の内部に使用されているゴム管やゴムパッキンであったり、皮脂汚れやゴミ、入浴剤などの不純物、経年劣化によって発生した配管のサビ(緑青)などがお湯と一緒に流れてくることで、湯舟にゴミが浮かんでしまうことがあります。
湯舟に浮かんでいる黒いゴミに気が付いたら、以下のような対処法をとられることをおすすめいたします。
- 配管の洗浄を行う
- 配管の部品を交換する
①配管の洗浄を行う
エコキュートから出てくる黒いゴミは配管の汚れやサビが原因であることが多いです。
そのため、まずは配管の洗浄を行われることをおすすめいたします。
配管の洗浄方法として「循環洗浄」が挙げられます。
浴槽内のお湯を指定された位置まで残したら、配管洗浄剤を投入してから「洗浄開始」ボタンを押します。
洗浄が終わったら最後に「すすぎ」を実行すれば循環洗浄は完了となります(細かい手順はエコキュートの機種やメーカーによって異なりますので、ご自宅のエコキュートに合った方法で行ってください)。
また、エコキュートによっては「配管の自動洗浄機能」が搭載されている場合があります。
循環洗浄が面倒くさいという場合、この機能を駆使して配管内を清潔に保つようにしましょう。
②配管の部品を交換する
黒いゴミの正体が「劣化した配管のゴム」であった場合、配管の洗浄を行っても問題が解消されることはありません。
劣化が進んだゴムを新品のものと交換する必要があります。
メーカーやエコキュート専門業者に相談し、配管の部品交換工事を行うようにしましょう。
「劣化した配管のゴム」や「配管の汚れ・サビ」などといったように、黒いゴミは配管から発生している場合がほとんどです。
湯舟に黒いゴミが浮くようになったらまずは配管の洗浄を行い、それでも解決しなければ配管の部品を交換されることをおすすめいたします。
エコキュートのお湯が臭い
エコキュートによっては沸かしたお湯が臭くなることがあります。
エコキュートで沸かしたお湯の臭いが気になる原因として、以下の3点が挙げられます。
- お風呂の配管の汚れ
- 貯湯タンクの汚れ
- エコキュート設置工事の影響
高温多湿であるお風呂の配管には雑菌が発生しやすい上に、雑菌のエサとなる皮脂や湯垢、石鹸などが溜まりやすいです。
雑菌が繁殖した配管をお湯が通ることで、お風呂のお湯が臭くなってしまうのです。
さらに、長期間にわたってエコキュートを使用していると、熱湯を溜めている貯湯タンク内に水垢などの汚れが溜まってしまいます。
その汚れと一緒に流されることで、お風呂のお湯に臭いがついてしまうのです。
また、設置工事を行ったばかりのエコキュートを使用すると、お風呂のお湯が臭くなってしまう場合があります。
それは工事で使用された接着剤から発生している可能性が高く、使用しているうちに接着剤の臭いは薄れていきます。
エコキュートのお湯の臭い対策として、以下の3点が挙げられます。
- お風呂の配管の洗浄
- 貯湯タンクの水抜き
- 専門業者に相談する
①お風呂の配管の洗浄
配管内に溜まった雑菌や汚れを綺麗に洗い落とすことで、お湯の臭いを解消できる可能性があります。
循環アダプター(浴槽内に設置されていてお湯が出てくる部分)の洗浄はブラシなどで行うことができますが、配管内の洗浄の場合は「循環洗浄」がおすすめです。
浴槽内のお湯を循環アダプターの上(使用機種によって異なります)まで残したら、配管洗浄剤を投入してから「洗浄開始」ボタンを押します。
洗浄の後に「すすぎ」を行えば循環洗浄は完了です(細かい手順は各メーカーごとに異なりますので、ご使用のエコキュートをご確認ください)。
その他、三菱の「バブルおそうじ」のように、配管の自動洗浄機能が搭載されているエコキュートもあります。
配管の洗浄は1か月に1回行われることが推奨されていますが、洗浄が面倒くさいという方はそれらの機能を備えたエコキュートをおすすめいたします。
②貯湯タンクの水抜き
貯湯タンクに溜まっているお湯を水抜きによって新しいお湯と交換することも、お湯の臭い対策として有効です。
水抜きは、主に「①漏電遮断器をオフにする→②給水止水栓を閉じる→③逃がし弁を開ける→④排水栓を開けて水を抜く→⑤給水止水栓を開ける→⑥逃がし弁を閉じる→⑦漏電遮断機をオンにする」という手順で行われます。
詳しくは、使用されているエコキュートの取り扱い説明書をご参照ください。
③専門業者に相談する
上記の対策を行ってもお湯の臭いが改善しなかった場合は、エコキュート専門業者に相談するようにしましょう。
配管や貯湯タンクの汚れではなく、エコキュートの故障によって臭いが発生している可能性があるからです。
お風呂のお湯の臭いは「配管や貯湯タンクに溜まった汚れ」が原因であることが多いので、定期的な洗浄や水抜きを行うことで改善される可能性が高いです。
しかし、臭い対策を行っても改善しなかった場合、エコキュートに何らかの異常が発生していることが考えられます。
いつまで経ってもお湯の臭いがとれないようであれば、早めにエコキュート専門業者に相談されることをおすすめいたします。
エラーコードが表示される
エコキュートを使用していると、リモコンにエラーコードが表示されることがあります。
エラーコードが表示された場合は取り扱い説明書を確認して対処する必要がありますが、操作してもエラーコードが消えなかったり再発することも少なくありません。
その場合、エコキュートの故障が疑われるのでなるべく早めに専門業者に相談されることをおすすめいたします。
まとめ
以上、エコキュートのよくあるトラブルについてお話しさせていただきました。
ご自身で解決できるものもありますが、場合によっては専門業者に相談しなければならないこともあります。
エコキュートのトラブルでお悩みの方は、ぜひチカラもち山梨店にご相談ください!(*^^*)