水性塗料・油性塗料 の違い、メリット・デメリットについて解説!

こんにちは☀
ガイソー横浜港南店・町田店です!

屋根・外壁塗装工事を検討されている方の中で、どのような塗料があるのかについて調べられた方がいるかもしれません。
塗料は用途や機能、色など様々なジャンル分けがされているため、ご自身の希望に合った塗料を探すだけでも一苦労だと思います。

中でも「水性塗料」と「油性塗料」、「1液型塗料」と「2液型塗料」という分け方は、それぞれの塗料を知る上で非常に重要な要素となっていますので、違いをしっかり理解する必要があります。

そこで今回は、「 水性塗料・油性塗料 」のそれぞれの違いやメリット・デメリットについて解説していきたいと思います!

水性塗料とは?

水性塗料とは、その名の通りを溶剤(他の物質を溶かす物質のこと)としている塗料のことです。
顔料は単体だけだと塗装に使用できないので、樹脂と混ぜ合わせて顔料を密着させることではじめて塗膜とすることができます。
このときに樹脂を溶かしたり薄めたりして調整するのが溶剤であり、溶剤として水を用いられた塗料のことを水性塗料と言うわけです。

顔料…がんりょう。色を持った粉末個体で、着色のために用いられる。
    塗料の色は顔料の色によって決まる。

↓ 水性塗料の例(プレマテックス株式会社「ウルトラフッ素https://www.ultra-paint.com/ultra-fusso

ちなみに写真の塗料は1液型

水性塗料のメリット

油性塗料と比較したときの水性塗料のメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 価格が安め
  • 臭いがほとんど無い
  • 油性塗料よりも人・環境にやさしい
  • 保管がしやすい
  • 引火性が低い

まず、有機溶剤を使用している油性塗料と異なり、水性塗料は水のみを溶剤としています。
有機溶剤よりも水の方が安く、塗料の製造コストも抑えられるので水性塗料の価格は安くなりやすいです。

そして、水性塗料は水で希釈しているので、油性塗料のような独特な臭いが発生しません
そのため、悪臭によるご近所トラブルが起こりにくいというだけでなく、室内への塗装も可能となっています。

水性塗料は臭いだけでなく、「VOC」の排出量も少なくなっています。
VOCとは「Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)」の略称で、蒸発しやすく、大気中で気体になる化学物質のことです。
VOCは塗料に含まれていることが多く、大気中に排出されるとシックハウス症候群や光化学スモッグなどの健康被害をもたらす可能性があります。
塗料に含まれるVOCのほとんどは有機溶剤に由来するものなので、水を溶剤とする水性塗料はVOCの含有量・排出量ともに少なくなり、人や環境にやさしい塗料として多くの住宅で採用されています。

シックハウス症候群…建材や塗料などから発生した化学物質によって起こる空気汚染、健康被害のこと。
           めまいや吐き気、頭痛など様々な症状が出る。

光化学スモッグ…VOCが紫外線を受けて光化学反応を起こし、空気にモヤがかかる現象のこと。
         見通しが悪くなるだけでなく、目や喉の痛み、吐き気などの健康被害が発生する。
         

また、水性塗料の多くは次回解説する「1液型塗料」に分類されます。
ほとんどの油性塗料は「2液型塗料」にあたります。主剤と硬化剤と混ぜ合わせて使用するという性質から、時間経過とともに固まってしまうため、当日中に使い切らないといけません。
それに対し、1液型塗料は硬化剤なしで使用できるので、その日のうちに使い切れなくても保管しておけば翌日も使い回すことができます。

引火性が低いのも水性塗料のメリットです。
油性塗料は引火性が高いので厳重に取り扱う必要がありますが、水性塗料はその心配がないので誰でも手軽に扱いやすい塗料と言えるでしょう。

水性塗料のデメリット

油性塗料と比較したときの水性塗料のデメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

  • 耐久性が低め
  • 乾燥時間が環境によって左右されがち
  • 塗装に適さない素材がある
  • ツヤが落ちやすい


水性塗料は、硬化剤を用いる油性塗料よりも耐久性に劣っているとされます。
近年では油性塗料と同等の耐久性を持った水性塗料が開発されていますが、それらは一般に普及している水性塗料よりも価格が高くなってしまいます。

また、水性塗料は水を溶剤としているので、気温が低い日に塗装すると乾燥するまでに時間がかかってしまいます。
加えて水の影響を非常に受けやすいため、乾燥するまでの間に水に当たってしまうと、塗膜が綺麗に作られなかったり洗い流されてしまったりする可能性があります。
そのため、水性塗料の塗装時には油性塗料よりも気温・湿度・天候に注意する必要があります。

さらに、水性塗料の塗装が向いていない素材が存在します。
金属や鉄部などは水を弾きやすいので、水性塗料で塗装してもなかなか密着してくれません。
下塗り塗料の使用や重ね塗りなどで対策する必要がありますが、塗装の回数が増えればその分コストもかかってしまいます。

そして、水性塗料は有機溶剤を用いている油性塗料よりもツヤが出にくく、落ちやすいです。
外観の良さを最優先する場合は、水性塗料よりも油性塗料の方が向いていると言えます。

油性塗料とは?

油性塗料とは、有機溶剤(他の物質を溶かす性質を持った有機化合物)を含んでいる塗料のことです。
主にシンナーが溶剤として使用されています。

シンナーの溶解力の強さによって「弱溶剤」「強溶剤」に分けられ、弱溶剤の方がシンナー特有の臭いやVOCの排出量が少なくなりやすいです。

↓ 油性塗料の例(「ガイソーウォールタフネスシリコン」http://www.gaiso-machidaten.co/style/kabe/kabe13/

どちらも弱溶剤

油性塗料のメリット

水性塗料と比較したときの油性塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  • 塗料の密着力が強く、耐久性に優れている
  • 耐摩耗性がある
  • ツヤを出しやすい

油性塗料は硬化剤を混ぜて使用する2液型塗料が多く、有機溶剤が硬化剤をしっかり溶かすことで、塗料の密着性を高めることができます。
塗料の密着性が高くなれば塗装がはがれにくくなるので、強くて頑丈な塗膜にすることが可能です。

また、硬化剤の効果によって強固な塗膜が形成されるため、摩擦・摩耗にも強くなります。
摩擦に強いということは、摩耗が起こりにくい=外壁に傷がつきにくくなるということなので、綺麗な外壁を長きにわたって維持することができます。

さらに、油性塗料には有機溶剤が含まれていることにより、綺麗なツヤを出しやすいです。
耐久性と耐摩耗性の高さから、綺麗でツヤのある外壁を守ることが可能です。

油性塗料のデメリット

水性塗料と比較したときの油性塗料のデメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 価格が高め
  • 独特の臭いがする
  • VOCの排出による人・環境への悪影響が懸念される
  • 引火性が高い

水性塗料のメリットでもお話ししましたが、有機塗料は水よりも製造コストがかかってしまいます。
加えて、2液型の油性塗料であれば硬化剤の分のコストも必要となるので、水性塗料と比べて油性塗料の方が価格が高くなりやすいです。

油性塗料はシンナーを溶剤として使用することが多いので、シンナー特有の刺激臭が発生します。
ただ臭いだけでなく、シンナー中毒を引き起こしたり、VOCの排出による健康被害が起こったりする可能性があるため、室内の塗装に用いることはできません。

シンナー中毒…シンナーを吸い込むことによって引き起こされる中毒のこと。
        ほんの少しだけ吸い込んだ場合は軽度の頭痛や吐き気、めまいなどで済むが、長時間にわたって
        大量に吸入してしまうと、命にかかわる症状が出る場合もある。

また、油性塗料は引火性が高いので、適当な管理をしていると火災の危険性があります。

まとめ

以上、「水性塗料」と「油性塗料」それぞれのメリット・デメリットについて解説させていただきました。
コストや環境面では水性塗料の方が優れていますが、耐久性・仕上がりの面では油性塗料に軍配が上がります。
屋根・外壁塗装においてメリット・デメリットの何を重視するかによって、水性塗料か油性塗料かを決めるのが一番後悔のない塗料の選び方でしょう。

次回は引き続き「1液型塗料」「2液型塗料」のメリット・デメリットについて解説します!