耐震性の高い・低い建物 とは?|耐震性を高めるためのリフォーム方法

こんにちは☀
ガイソー横浜港南店・町田店です!

石川県で震度6強、青森県で震度4、千葉県で震度5弱、北海道で震度4、鹿児島県で震度5弱……と、5月に入ってから全国各地で強い地震が発生しています。
以前から首都直下型地震や南海トラフ地震の危険性については語られてきましたが、この地震の連続発生を機に、本格的に地震対策を始めようと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、 耐震性が高い・低い建物 の特徴と、耐震性を高めるためのリフォーム方法について解説したいと思います!

耐震性が高い建物の特徴

耐震性が高い建物には、以下の特徴が挙げられます。

  • 正方形、長方形に近い構造の建物
  • 軽量な建物
  • 平屋(1階部分だけの建物)

まず、正方形に近い形をした建物は、地震に非常に強いとされています。正方形のように整った(凸凹していない)形は、外部からのエネルギーを6つの面で均等に分散できます。つまり、建物全体にかかる地震エネルギーが6等分されることで、建物全体で地震に耐えることができるのです。

正方形ほどではありませんが、長方形もまた地震に強い形です。ただし、建物が縦(横)に細長いといったように、長辺と短辺の長さが極端に異なると、地震の揺れの方向によってはエネルギーを十分に分散できずに家が破損・倒壊してしまう可能性があります。
そのため、長方形の建物に耐震性を持たせるためには、長辺と短辺の長さのバランスに気をつけなければなりません。

また、耐震性は建物の重さによっても変わってきます。
地震発生時に建物に加わる力のことを「地震力」と呼び、地震力が大きければ大きいほど、建物へのダメージはより深刻になります。
この地震力は「建物の重さ」×「地震層せん断力」によって求められます。地震層せん断力については専門的すぎるため今回は省きますが、ここで大事なのは「建物の重さが地震力の大きさに影響を及ぼす」という点です。
建物が重ければ重いほど、地震力もそれに比例して大きくなっていきます。ということは、反対に建物が軽ければ軽いほど、やはり地震力も小さくなっていくので、地震発生時の被害を軽減することができます。

そして、平屋も地震に強い家と言われることが多いです。平屋には2階以上が存在しないため、建物全体の重心が低くなるからです。
重心とは、ざっくり言うと「物体に重力がかかる点」のことで、重心を支えれば物体は落ちることなく留まり続けます。例えば、鉛筆を人差し指だけで支えようとしてもすぐに落ちてしまいますが、何回か試しているうちに指に留まることがあると思います。それは指で鉛筆の重心を支えているからなのです。
建物にも同様に重心が存在しており、2階建ての家よりも平屋の方が重心は低い位置にあります。そして、重心が低い位置にあると、建物は揺れにくくなります。
また、平屋は2階以上が存在する家よりもシンプル、つまり正方形や長方形に近い構造である場合が多いです。揺れを小さくし、建物全体でその揺れに耐えることで、建物全体にかかるダメージを軽減させることができます。

耐震性が低い建物の特徴

耐震性が低い建物には、以下の特徴が挙げられます。

  • 1階部分の壁面積・床面積が狭い建物
  • L字、コの字に近い構造の建物

1階部分に大きな部屋(一般的に12畳以上)がある建物や、玄関やリビングが吹き抜けになっている建物、ビルトインガレージが存在する建物などは、耐震性が低くなりやすいです。
これは、壁や柱の数が少なくなることで建物全体を支える力が弱くなり、地震発生時にバランスをとれずにそのまま倒壊してしまうからです。
玄関やリビングの吹き抜けはデザイン性が高く、ビルトインガレージも車の管理がしやすいといったメリットがありますが、耐震性を重んじるのであればこれらの間取りは避けた方がいいでしょう。

そして、L字やコの字に近い形の建物も耐震性が低いとされています。前述した正方形、長方形のような整った形ではなく、凸凹部分の多い形であるためです。
L字・コの字はへこんだ角などの1点にエネルギーが集中しやすく、その部分の破損や歪みが起こりやすくなってしまいます。さらに、建物全体が複雑な形状であるため、部分ごとに揺れ方が変わってしまい、壁同士の衝突や歪みの発生などの危険もあります。

耐震性を高めるためのリフォーム方法

建物の耐震性を高めるためのリフォーム方法としては、以下の2点が挙げられます。

  • 軽量な屋根材に変更する
  • 耐力壁を配置する

前述の通り、建物が重ければ重いほど地震発生時の被害も大きくなるため、建物全体の重さを軽減できれば直接的な地震対策となります。しかし、かなりの重量を占める柱や構造を軽量のものに変更するには建て替え工事が必要となり、莫大な費用や時間がかかってしまいます。

そこで、「既存の屋根材を軽量のものに変更する」ことで、建て替えよりも手軽に建物全体の重さを軽減させることが可能です!
今のご自宅が瓦屋根(1㎡あたり約60㎏)である場合、化粧スレート屋根(約20㎏)に変更すれば1/3、ガルバリウム屋根(約5㎏)であれば1/12にまで重量を減らすことができます。

軽量な屋根材に変更するためには、屋根の「葺き替え工事」を行う必要があります。葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて取り除き、新しい屋根材を敷き詰めていく工事のことです。工期が長く、撤去費用がかさみやすいというデメリットがありますが、屋根の撤去時に屋根内部のメンテナンスが行えたり、防水性や断熱性に優れた屋根材に変更できるといったメリットもあります。
葺き替え工事を検討されており、軽量な屋根材に変更したいという方は、株式会社オリバーが製造・販売している「スーパーガルベスト」(http://www.gaiso-yokohamakounan.co/style/yanecover/yanecover01/)がおすすめです。1㎡あたり約5㎏と軽量であることに加え、耐食性・断熱性・遮熱性・遮音性・防火性など様々な機能を備えた屋根材となっています。

スーパーガルベストの宣伝用画像


屋根材の変更という点では「屋根カバー工事」もあてはまりますが、屋根カバー工事は既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せるという工事なので、屋根の外観は変わっても重量はむしろ増えてしまいます。
しかし、福泉工業株式会社が取り扱っている「シルキーG2」(https://www.fukuizumi.co.jp/product/roof/g2/)のように、屋根カバー工事に適した軽量な屋根材もありますので、葺き替え工事よりも早くて安い工事にしたいという方は、屋根カバー工事がおすすめです。

シルキーG2と日本瓦の重量比較の画像
福泉工業株式会社HP「シルキーG2」より

屋根以外の地震対策としては、耐力壁の配置もあります。
柱や土台、床などの四角で構成された枠内に補強材を渡す「筋交い(すじかい)」という工法により、地震発生時に枠や建物全体が歪むのを防ぐことができます。
建物の重心や剛心(建物の1番強い部分)を考慮した上でバランスよく配置する必要があるため、適当に配置してしまうと耐震性が上がらないというだけでなく、バランスの悪さから地震の揺れによって倒壊してしまう場合もあります。

まとめ

以上、耐震性が高い・低い建物の特徴と、耐震性を高めるためのリフォーム方法について解説させていただきました。
建物の構造自体を変更することはなかなか難しいかもしれませんが、屋根材の重量の変更は地震対策としては簡単な部類に入ります。もしご自宅の耐震性に不安があり、リフォーム工事を検討されているようであれば、「建物の重量」に注目されてみてはいかがでしょうか。