こんにちは☀
ガイソー横浜港南店・町田店です!
外壁の塗装工事を検討しており、外壁塗料について情報収集をされているという方は、「有機塗料」「無機塗料」という言葉を見かけたことがあると思います。
有機塗料は「有機物を主成分とした塗料」であるのに対し、無機塗料は「無機物を主成分とした塗料」と、正反対の成分によって構成されているため、「塗料の性能も正反対なの?」と疑問を持たれるかもしれません。
さらに、有機塗料と無機塗料を混ぜ合わせた「 ハイブリッド塗料 」という種類も存在しており、有機塗料・無機塗料それぞれの特徴を把握していなければ、ハイブリッド塗料のメリット・デメリットを完全に理解することは困難です。
それでは選べる塗料の幅が狭まってしまうため、有機塗料・無機塗料・ハイブリッド塗料の違いをしっかりと把握する必要があります。
そこで今回は、有機塗料・無機塗料・ハイブリッド塗料それぞれのメリット・デメリットについて解説していきたいと思います!
有機塗料とは? メリット・デメリット
有機塗料とは「有機物(有機化合物)を主成分とした塗料」です。
有機物は一般的に「一酸化炭素や二酸化炭素などの単純な化合物を除いた、炭素を含む物質のこと」であるとされており、生物そのものも有機物に該当します。
塗料に含まれる合成樹脂は有機物であるため、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの樹脂塗料はすべて有機塗料となります。
有機塗料のメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 価格が安い
- 柔軟性を持った塗膜を形成できる
まず、有機塗料のメリットとして挙げられるのは「価格の安さ」です。
有機塗料の1つであるアクリル塗料はとにかく安いことで知られており、1平米あたりの費用相場が無機塗料に比べて3000~4000円ほど安いとされています。
有機塗料の中では比較的高価なフッ素塗料でも無機塗料よりは安価であるため、工事費用を抑えることを最優先としたい方には有機塗料がおすすめです。
また、有機塗料には「柔軟性を持った塗膜を形成する」という大きなメリットも存在します。
有機塗料の柔軟性は合成樹脂に由来しており、非常に柔らかい塗膜を作り出します。
塗膜の柔軟性が高いと、揺れや収縮などといった建物の動きに合わせて塗膜が伸びるようになるため、塗膜のひび割れの発生を未然に防ぐことができます。
反対に、有機塗料のデメリットとしては以下の2点が挙げられます。
- 塗膜の劣化が起こりやすい
- 燃えやすい
有機塗料に含まれる合成樹脂は、酸化チタン(白色顔料)と紫外線の反応によって生じる「ラジカル」のターゲットとなります。
ラジカルの詳細については過去のコラムで取り上げているのでここでは簡潔に述べさせていただくと、ラジカルが合成樹脂の結合を切断することでその機能を喪失させ、それに伴って塗膜全体の耐久性・耐候性も低下してしまうのです。
ラジカルは合成樹脂以外の有機物(顔料など)にも反応してしまうため、有機塗料が形成する塗膜はどうしても劣化が早くなってしまうことがデメリットです。
また、有機塗料の主成分である有機物は前述の通り「炭素を含んだ物質」であるため、非常に燃えやすいというデメリットも存在します。
有機物に熱が加えられると、有機物内の炭素と空気中の酸素が化学反応を起こし、大きな熱と光を発生させます。つまり、有機塗料で塗装した外壁に火がつくとその勢いが強くなり、延焼範囲も拡大してしまうということです。
万が一ご自宅や近隣住宅で火災が発生した場合、その被害が想定以上に大きくなってしまう可能性もあるため、火災のリスクを考慮するのであれば有機塗料は避けた方が無難でしょう。
無機塗料とは? メリット・デメリット
無機塗料は「無機物(無機化合物)を主成分とした塗料」になります。
無機物は有機物とは反対に「炭素を含まない物質」のことを指しており、簡単に言ってしまえば有機物に該当しない物質はすべて無機物となります。
無機塗料では、主にセラミックやケイ素が主成分として配合されています。
厳密に言うと、無機塗料は無機物「だけ」で構成されているわけではありません。
無機物だけだと固すぎてそもそも塗料にすることができないため、ある程度の有機物を配合する必要があるのです。
無機塗料のメリットとして、以下の4点が挙げられます。
- 耐候性に優れる
- 汚れが付着しにくい
- カビやコケが定着・繁殖しにくい
- 燃えにくい
無機塗料の一番のメリットは「耐候性に優れる」という点です。
無機塗料の主成分である無機物は、有機物に比べて非常に強固な結合を持っています。その結合の強さは紫外線の破壊エネルギーを上回っているため、結合が切断されて塗膜の性能が低下するという事態を未然に防ぐことができます。
優れた耐候性により、無機塗料の期待耐用年数は約20年以上であるとされています。そのため、「長きにわたってメンテナンスフリーな外壁にしたい!」という方には無機塗料がおすすめです。
無機塗料によく配合されているセラミックは、「親水性に優れる」という特徴を持っています。
親水性とは「水との親和性が高いこと」を指しており、親水性に優れる外壁に雨水が当たると、薄い水の膜となって全体に広がります。
薄く広がった雨水は外壁に付着した汚れの下に入り込み、汚れと一緒に流れ落ちるようになります。つまり、雨が降る度に外壁の洗浄が自動的に行われるようになり、これを「セルフクリーニング効果」と呼びます。
定期的な洗浄を行わずとも、外壁を綺麗に保ち続けることができます。
さらに、無機塗料は有機物の含有量が少ないため、有機物を好物としているカビやコケが定着・繁殖しにくいというメリットもあります。
無機塗料で塗装することで、長期間にわたって汚れやカビ・コケが存在しない外壁にすることができます。
また、同上の理由から無機塗料は「不燃性に優れる」という特長を持っています。無機塗料のほとんどを構成している無機物は炭素を一切含んでいないので、火に触れてもまったく燃えません。「無機塗料=絶対に燃えない」というわけではありませんが、無機塗料によく使用されるセラミックやケイ素は融点(熱によって溶け出す温度)が非常に高いため、まず燃えません。
万が一ご自宅や近隣住宅で火災が発生したとしても、不燃性が高い塗膜によってその被害を最小限に抑えることが可能です。
反対に無機塗料のデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
- 価格が高い
- ひび割れが起こりやすい
まず、無機塗料は有機塗料に比べて「価格が高い」という点がデメリットとして挙げられます。
無機塗料の費用相場は約5000~5500円であるとされています。有機塗料のメリットでも述べましたが、有機塗料の中で一番安いアクリル塗料に比べると無機塗料は3000~4000円ほど高くなるため、外壁の全体塗装となるとその費用は何十万円も差がついてしまいます。
とはいえ、無機塗料はその値段以上の性能を長期間にわたって発揮することができるため、定期的な塗り替え工事が必要となる有機塗料よりもトータルの工事費用は安くなりやすいです。
むしろ、「ひび割れが発生しやすい」という点が無機塗料の一番のデメリットとなります。
無機物は優れた強度を持っているものの、柔軟性に欠けるという性質を持っています。つまり、無機物を主成分としている無機塗料で塗装した外壁は振動や収縮といった建物の動きに追随できずに、その固い塗膜がひび割れてしまうのです。
ひび割れが発生しやすい外壁(モルタルやコンクリートなど)に無機塗料を塗装してしまうと、数年で外壁がボロボロになってしまう可能性があるため、ご自宅の外壁の材質によっては無機塗料をおすすめすることはできません。
ハイブリッド塗料 とは? メリット・デメリット
有機塗料・無機塗料のメリット・デメリットについてお話したところで、いよいよハイブリッド塗料の詳細を解説していきたいと思います!
ハイブリッド塗料とは、その名の通り「有機塗料と無機塗料を混ぜ合わせた塗料」のことです。
有機塗料と無機塗料のデメリットを打ち消し、メリットだけを兼ね備えているため、非常に高性能な塗料となっています。
ハイブリッド塗料は、塗料メーカーによって「無機ハイブリッド塗料」「無機有機ハイブリッド塗料」と称される場合もあります。
ハイブリッド塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 耐候性に優れる
- 汚れが付着しにくく、カビやコケも繁殖しづらい
- ひび割れが起こりにくい
ハイブリッド塗料は無機塗料のメリットを持っているため、「優れた耐候性」「汚れが付着しにくい」「カビやコケの定着・繁殖を未然に防ぐことができる」などの様々な効果を発揮することができます。
元々無機塗料には有機物が配合されているので、有機塗料と混ぜ合わされたからといってその性能が低下することはありません。
さらに、無機塗料の致命的なデメリットであった「ひび割れの発生」も、柔軟性に優れる有機塗料によって克服し、「強固でひび割れが起こりにくい塗膜」を形成できるようになりました。
地震や台風などの自然災害や熱膨張などによって建物が振動・収縮したとしても、柔軟性の高い塗膜が建物の動きに合わせて伸縮するようになるため、塗膜を長持ちさせることができます。
ハイブリッド塗料のデメリットとしては「価格の高さ」が挙げられますが、1平米あたりの費用相場は約5000~6000円であり、無機塗料とほとんど変わりません。
無機塗料のデメリットを克服し、そのメリットだけを持つようになったハイブリッド塗料であれば、その費用をはるかに上回るほどの性能を期待できます。
これだけだと、ハイブリッド塗料は無機塗料の完全上位互換であるように感じられますが、ハイブリッド塗料は有機塗料・無機塗料に比べて新しい技術であるため、施工の経験が少ない業者が多く存在します。
そういった業者に当たると、せっかくのハイブリッド塗料がその性能を十全に発揮できなくなる可能性もあるため、そのリスクを回避したいのであれば無機塗料を選ばれることをおすすめいたします。
ハイブリッド塗料としては、「ガイソーウォール無機ACE」や「無機ハイブリッドチタンガード」(PAINT LINEジャパン株式会社)、「ウルトラMUKI」(プレマテックス株式会社)などが挙げられます。
まとめ
以上、有機塗料・無機塗料・ハイブリッド塗料それぞれのメリット・デメリットについて解説させていただきました。
それぞれの特性を把握していれば、「1回の工事費用を安く抑えたいのであれば有機塗料」、「高性能な塗料を求めるのであれば無機塗料・ハイブリッド塗料」といったように、希望に沿った塗料を見つけることができます。
このコラムが皆様の塗料選びの一助となれば幸いです。
「自分におすすめな塗料の種類を知りたい!」「有機塗料・無機塗料・ハイブリッド塗料それぞれのおすすめの塗料を知りたい!」という方は、ぜひお気軽に弊社にご相談ください!