エコキュートのメリット・デメリット|ガス給湯器や電気給湯器との違いは?

 エコキュート のメリット・デメリット

家庭用給湯器にはガス給湯器や電気給湯器の他に「エコキュート」が存在します。
近年エコキュートの人気が高まってきていることから、導入を検討されているご家庭も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、「エコキュートのメリット・デメリット」や「ガス給湯器や電気給湯器との違い」についてお話ししていきたいと思います!
エコキュートの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください!




エコキュートとは?

そもそもエコキュートとは何なのかというと、「ヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かす家庭用給湯システム」のことで、正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」となります。
ヒートポンプ技術とは「空気中の熱エネルギーを集めて移動させることで冷却・加熱を行う技術」であり、この技術を利用することで少ない電気量で効率よくお湯を沸かすことができます。

エコキュートは主に「夜間運転」によってお湯を沸かすという特徴があります。
夜間は電気の需要も少ない時間帯であり、昼間に比べて電気料金が安いことから、他の給湯器に比べてランニングコストを安く抑えられます。
そのため、近年エコキュートの人気が高まってきており、買い替えを検討されている方も増えてきています。


エコキュートと他の給湯器の違い

家庭用給湯器にはエコキュートの他に「ガス給湯器」や「電気給湯器」が存在します。
ここではこの2種類の給湯器とエコキュートの違いについてお話ししていきたいと思います。


①ガス給湯器

ガス給湯器とは、その名の通り「ガスを燃料としてお湯を沸かす給湯器」のことです。ガスによって配管を温め、その中に水を通すことでお湯を作ります。
ガス給湯器は必要な分のお湯を素早く沸かすことができる上に、設置のために必要なスペースが少ないです。そのため、十分なスペースが無くてエコキュートや電気給湯器を設置できない場合でも、ガス給湯器であれば設置することができます。

ガス給湯器とエコキュートを比較すると、ガス給湯器の方が初期費用は安くなるものの、ランニングコストはエコキュートの方が安くなるという違いがあります。
ガス給湯器でお湯を沸かす際、燃料であるガスの他に給湯器を運転させるための電気が必要となります。一方、エコキュートは空気中の熱と少しの電気があればお湯を沸かすことができるので、月々の光熱費に差が出やすいのです。

また、ガス給湯器の運転中には高温の排気があるのに対し、エコキュートは物質を燃やさないので環境に優しいです。
ガス給湯器とエコキュートを比較した場合、エコキュートの方が経済的で環境に優しい給湯器であると言えるでしょう。

ガス給湯器


②電気給湯器

電気給湯器とは、「電気エネルギーを熱エネルギーに変換することでお湯を沸かす給湯器」のことです。「電気温水器」と呼ばれることも多いです。
電気給湯器は期待耐用年数が約15~20年と長く、定期的なメンテナンスを欠かさずに行えば20年以上にわたって問題なく使用できることもあります。
また、ガス給湯器とは違ってガスを使用しないので、ガス漏れや火災を心配する必要はありません。

電気給湯器とエコキュートを比較すると、電気給湯器の方が初期費用は安くなるものの、エコキュートの方がランニングコストは安くなるという違いがあります。これは、ガス給湯器とエコキュートを比較したケースと同様です。
電気給湯器は「電気エネルギーを熱エネルギーに変換して水を温める」という仕組みを利用しているため、お湯を作り出す際にどうしても一定以上の電気が必要となります。そのため、エコキュートに比べて光熱費が高くなりやすいのです。

電気給湯器は期待耐用年数が長いため、メンテナンスをしっかりと行えば頻繁に買い替える必要はありません。この点から経済的な給湯器であると言えますが、ランニングコストにまで目を向けるとエコキュートの方が経済的となります。

電気給湯器


ガス給湯器・電気給湯器とエコキュートを比較すると、ガス給湯器には「設置するために必要なスペースが少なく済む」、電気給湯器には「期待耐用年数が長い」、エコキュートには「ランニングコストが安い」といった特長があります。
初期費用はエコキュートが最も高くなってしまいますが、長い目で見るとガス給湯器や電気給湯器よりもお得になるため、月々の光熱費を安く抑えたいという方はエコキュートがおすすめです。


エコキュートのメリット

ガス給湯器や電気給湯器からエコキュートに変更するメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  1. 光熱費を安く抑えられる
  2. 省エネで環境に優しい
  3. 災害時でもお湯を使用できる
  4. 補助金を受け取れる可能性がある


①光熱費を安く抑えられる

前述の通り、エコキュートは「ヒートポンプ技術」を用いてお湯を作り出す給湯器です。
空気中の熱を利用して水を温めるヒートポンプ技術により、少量の電気で効率よくお湯を沸かすことができます。そのため、ガス給湯器や電気給湯器に比べてランニングコストが安くなりやすいです。

また、エコキュートは主に夜間に運転します。夜間は昼間に比べて電気料金が安いことから、月々の光熱費を安く抑えることができます。

電気代


②省エネで環境に優しい

エコキュートはお湯を作り出す際に空気中の熱と電気を利用します。
ガス給湯器のようにガスを燃料とすることはなく、物質を燃やすこともありません。そのため、二酸化炭素の排出を大幅に抑制することができます。

さらに、電気給湯器よりも使用する電気量が少ないので、環境に優しい給湯器であると言えます。
省エネを意識して住宅設備を選択されている方は、ガス給湯器や電気給湯器からエコキュートに変更されることをおすすめいたします。


③災害時でもお湯を使用できる

エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」と呼ばれる設備から構成されており、沸かしたお湯は使用するまでの間貯湯タンクに貯蔵されます。
災害発生によって電気や水が使えなくなったとしても、貯湯タンク内にお湯が貯まっていれば非常用水栓から取り出すことができます。


③補助金を受け取れる可能性がある

エコキュートの設置・交換工事に対し、国や各自治体が補助金・助成金を出している場合があります。
たとえば、経済産業省の資源エネルギー庁が実施している「給湯省エネ2024事業」では、エコキュートを設置することで8万円以上の補助金を受け取ることができます。
エコキュートには「初期費用が高い」というデメリットが存在しますが、補助金を活用すればエコキュートの設置・交換工事をお得に行えるので、デメリットを1つ解消できると言えるでしょう。

給湯省エネ2024事業については過去のコラムで解説させていただいておりますので、興味を持たれた方はぜひそちらもご参照ください。
(「【2024年】給湯省エネ2024事業の補助対象や金額、申請期間について解説!」)


エコキュートのデメリット

反対にエコキュートに変更するデメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  1. 初期費用が高い
  2. お湯切れの心配がある
  3. 設置スペースが必要
  4. 運転音によるトラブルが発生する可能性がある


①初期費用が高い

ガス給湯器の設置にかかる費用が約20万円、電気給湯器の場合は約20~35万円であるのに対し、エコキュートは約40~60万円ほどの費用が必要となるとされています。
エコキュートの初期費用の高さから、ガス給湯器や電気給湯器からの変更工事になかなか踏み切れない……という方も多いです。

しかし、前述の通りエコキュートはランニングコストが安いことから、長い目で見るとガス給湯器や電気給湯器よりも経済的な給湯器であると言えます。
さらに国や各自治体が実施している補助金制度を活用すれば設置・交換工事を安く行うことができるので、この点はあまり大きなデメリットではないでしょう。


②お湯切れの心配がある

エコキュートには「貯湯タンク」と呼ばれる設備が存在し、作られたお湯は使用するまでここに貯蔵されます。
貯湯タンクの容量が適切でなかったり普段よりもお湯の使用量が多かったりすると、タンク内のお湯が無くなる「お湯切れ」が発生する可能性があります。
家族構成や生活パターンによって最適なタンク容量は異なるので、エコキュートを導入する前に専門業者に相談されることをおすすめいたします。


③設置スペースが必要

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクによって構成されており、この2つの設備を屋外に設置しなければなりません。そのため、エコキュートを導入する際はある程度の設置スペースが必要となります。
とはいえ、近年では薄型タイプのエコキュートが多く販売されているので、スペースが無いからと導入を諦めていたご家庭でもエコキュートを設置できるかもしれません。一度専門業者に相談されてみると良いでしょう。


④運転音によるトラブルが発生する可能性がある

エコキュートは沸き上げ時に低周波を発生させます。低周波とは「周波数が低い音」のことで、普通人の耳に聞こえることはありません。
しかし、低周波によって不快感や圧迫感を覚えたり、家具や窓が共振してガタガタと揺れる可能性があります。
夜になると眠れなくなったり、建物が揺れているような感覚がある場合は、夜間運転しているエコキュートが原因かもしれません。
エコキュートの設置場所を寝室から遠ざけたり、防音シートや防振ゴムを設置することである程度対策することはできますが、運転音によるトラブルを絶対に起こしたくないという方にはエコキュートはあまりおすすめできません。


まとめ

以上、エコキュートのメリット・デメリットやガス給湯器や電気給湯器との違いについてお話しさせていただきました。
エコキュートはガス給湯器や電気給湯器に比べて初期費用が高くなりやすいものの、ランニングコストが安いので長い目で見ると月々の光熱費を安く抑えることができます。

給湯器の買い替えを検討されている方は、エコキュートを取り扱っている業者に相談されることをおすすめいたします。

山梨県でのエコキュート交換工事を検討されている方は、ぜひお気軽にチカラもち山梨店にご相談ください!(*^^*)