ご自宅の屋根の劣化具合によっては、塗装工事ではなく「カバー工事」が必要となる場合があります。屋根カバー工事とは「既存の屋根材の上から新しい屋根材を取り付ける工事」のことで、塗装工事では十分に補修できないほど屋根が劣化しているときに行われます。
今回のコラムでは、「屋根カバー工事の費用相場」について解説していきたいと思います!
「屋根カバー工事で用いられる屋根材」や「工事費用を安く抑える方法」、「カバー以外の屋根工事」についてもお話しさせていただいておりますので、ご自宅の屋根カバー工事を検討されている方はぜひお読みください!
屋根カバー工事の費用相場
屋根カバー工事にかかる費用は、約80~150万円であるとされています。
屋根カバー工事の費用内訳は以下の通りになります。
工事項目 | 費用 |
---|---|
足場代 | 10~20万円 |
ルーフィング(防水シート) | 500~1500円/㎡ |
新しい屋根材の設置 | 5000~11000円/㎡ |
既存棟板金、雪止め金具等の撤去・処分 | 30000~55000円 |
棟板金の設置 | 3500~5000円/m |
軒先・ケラバ板金の設置 | 1000~3000円/m |
工事管理費・諸経費 | 全体の数%、もしくは数万円(施工業者により異なる) |
なお、上記の表の金額はあくまで目安であり、屋根カバー工事にかかる費用は「新しい屋根材の種類」や「屋根の形状」などによって変わってきます。
屋根面が多い寄棟屋根(4つの傾斜面と5つの棟によって構成されている屋根)の場合、切妻屋根や片流れ屋根のように面が少ない屋根に比べて工事費用が高くなりやすいです。寄棟屋根は複雑な形状であるため、作業費や人件費がかさんでしまうからです。
複雑な形状をした屋根の工事費用が高くなりやすいというのは屋根カバー工事に限った話ではありませんが、総額が高くなりすぎないか不安という方は現地調査の際にその旨を施工業者に伝えるようにしましょう。屋根に詳しい業者であれば、少しでも工事費用を安く抑える方法について提案してもらえるかもしれません。
屋根の形状については過去のコラムで解説させていただいておりますので、ご自宅の屋根の形状について知りたいという方はぜひそちらもご覧ください。
(「屋根の形状ごとのメリット・デメリット①|切妻屋根・寄棟屋根・方形屋根」)
屋根カバー工事の費用相場を把握していれば、見積もりの金額が極端に高かった・安かった際に気付くことができるので、悪徳業者と契約してしまう可能性を大幅に減らせます。
まずは大まかな費用相場を把握されることをおすすめいたします。
屋根カバー工事で見られる屋根材の種類
前述の通り、屋根カバー工事にかかる費用は「新しい屋根材の種類」によって変わってきます。
屋根葺き替え工事でよく見られる屋根材として、以下の3種類が挙げられます。
- 金属屋根(ガルバリウム鋼板)
- アスファルトシングル屋根
①金属屋根(ガルバリウム鋼板)
屋根カバー工事は「建物の耐震性が低下しやすい」というデメリットを持っています。既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せるという工法の都合上、屋根の重量が増えて地震発生時の被害が大きくなりやすいからです。
そのため、屋根カバー工事では軽量な金属屋根が用いられることが一般的です。
中でもガルバリウム鋼板製の屋根材が人気です。ガルバリウム鋼板とは「金属鋼板にアルミニウムや亜鉛、シリコンなどをめっきして作られた素材」のことで、犠牲防食作用によって「サビに強い」という特長を持っています。
ガルバリウム鋼板屋根は屋根1㎡あたり約6㎏と非常に軽量であるため、屋根カバー工事を行っても建物の耐震性が低くなりにくいです。
ガルバリウム鋼板屋根の施工費用は屋根1㎡あたり約5000~8000円で、期待耐用年数は約20~30年となります。
②アスファルトシングル屋根
アスファルトシングル屋根とは、「基材であるガラス繊維をアスファルトでコーティングした屋根材」のことです。表面には着色された石粒が吹き付けられており、シートのようにペラペラとした形状なのが特徴です。
アスファルトシングル屋根はその独特な形状から、屋根1㎡あたり約9㎏と軽量です。屋根材の中でもかなり軽いので、金属屋根に次いで屋根カバー工事で用いられることが多いです。
さらに、「防水性能に優れる」「ひび割れが発生しにくい」といった様々なメリットを持っているので、おすすめの屋根材となります。
アスファルトシングル屋根の施工費用は屋根1㎡あたり約5000~8500円で、期待耐用年数は約15~30年となります。
金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)、アスファルトシングル屋根のメリット・デメリットについては過去のコラムで解説させていただいておりますので、興味を持たれた方はぜひそちらもご覧ください。
「屋根材5種類を解説!|費用、耐用年数、メリット・デメリット」
前述の通り、屋根カバー工事は使用される屋根材によって金額が変わります。
気になる屋根材がある場合、現地調査の際にその旨を施工業者に伝えられることをおすすめいたします。その屋根材を使用したケースの見積もりを作成してもらえるので、工事内容や金額がイメージしやすくなります。
工事費用を安く抑えるためには?
前述の通り、屋根カバー工事の費用相場は約80~150万円となります。屋根塗装工事の平均総額が約40~60万円であることを鑑みると、かなり高額であると思われるのではないでしょうか。
塗装工事のように定期的なメンテナンスの必要がないので、トータルの工事費用は安く抑えることができるのですが、1回の工事費用の高さからなかなか屋根カバー工事に踏み切れない……という方も多いです。
そこで、屋根カバー工事の工事費用を安くする方法をいくつかご紹介したいと思います!
①助成金・補助金制度を活用する
国や都道府県、市区町村で行われている助成金・補助金制度を活用することで、屋根カバー工事をお得に行える可能性があります。
「工事費用の1/3」「最大30万円」といったように高額の助成金・補助金を受け取ることができます。
いつでも実施されているわけではありませんが、屋根カバー工事を検討されている方は事前にチェックしたり施工業者に質問されることをおすすめいたします。
②屋根リフォーム・外壁塗装工事を同時に行う
屋根リフォームや2回以上が存在する住宅での外壁塗装工事では、職人の安全を確保するために必ず足場を設置しなければなりません。
一般的な30坪の住宅の場合、足場代として約10~20万円かかるとされています。もし屋根リフォームと外壁塗装工事を別々に行うと、足場だけで約20~40万円かかってしまいます。
しかし、屋根リフォームと外壁塗装工事を同時に行えば足場の設置・解体が1回分だけで済むので、約10~20万円が浮いてお得です。
そのため、屋根と外壁の劣化具合にあまり差がない場合は同時に施工するようにしましょう。
なお、付帯部の塗装工事でも足場を設置する場合があります。
基本的に付帯部は外壁と一緒に塗装されますが、「付帯部は劣化しているが外壁は塗装したばかりで綺麗」といった場合は、屋根リフォームと合わせて塗装することで足場代が1回分お得になります。
➂火災保険を活用する
屋根に発生した損害が火災や自然災害(台風や落雷など)が原因である場合、火災保険の対象となり保険金を受け取れる可能性があります。屋根カバー工事を検討されている方は、ご自宅にかけられている保険内容をしっかりと確認されることをおすすめいたします。
ただし、損害が発生してから3年以内に申請しないと保険金を受け取ることができなくなってしまいます。保険会社への申請はリフォームが終わってからでも問題ないので、なるべく早めに補修工事を行うようにしましょう。
これらの方法を活用すれば、数十万円ほど安く屋根カバー工事を行うことができます。
詳しくは過去のコラムで取り上げさせていただいておりますので、ぜひそちらもご参照ください。
(「屋根・外壁塗装工事にかかる費用を安くする方法を解説!」)
カバー以外の屋根工事
屋根工事にはカバーだけでなく「塗装工事」、「葺き替え」といった工法も存在します。
予算や屋根の劣化具合などによって、どの工法が適しているかが変わります。
屋根塗装工事
屋根塗装工事とは、「既存の屋根材を補修してから下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装を行う工法」のことです。
防水性能を持った塗膜を形成することで屋根材を雨水や湿気から保護し、屋根内部の雨漏りや腐食を未然に防いでいます。
【メリット】
- 屋根の耐久性・耐候性が向上する
- 塗料が持つ機能を屋根に付与できる
- 安価で施工できる
【デメリット】
- 定期的に塗り替え工事を行う必要がある
屋根葺き替え工事
屋根葺き替え工事とは、「既存の屋根材をすべて取り除き、下地を補修してから新しい屋根材を取り付ける工法」のことです。
塗装工事では補修し切れないほど屋根が劣化しており、下地まで傷んでしまっている場合に行われることが多いです。
【メリット】
- 下地補修により、建物の寿命が伸びる
- 軽量な屋根材に変更することで耐震性が向上する
- 外観のイメージチェンジができる
【デメリット】
- 工事費用が高くなりやすい
- 工期が長くなりやすい
各工法については過去のコラムで詳しく解説させていただいておりますので、ご自宅に合った工法を選択するためにもぜひ参考にしてください。
(「屋根のリフォーム方法とメリット・デメリットについて解説!」)
まとめ
以上、屋根カバー工事の費用相場についてお話しさせていただきました。
実際にかかる費用は「新しい屋根材の種類」や「屋根の形状」などによって変わってきます。どんな屋根材を使用したいか、ご自宅の屋根がどんな形状をしているか等を把握されることをおすすめいたします。
屋根カバー工事の費用相場を知ることで、実際に見積もりを受け取ったときにその金額が適切であるかどうかを理解することができます。
費用相場に比べて極端に安い・高い金額だった場合、その見積もりを出したのは悪徳業者である可能性があります。
悪徳業者と契約してしまう可能性を少しでも減らすためにも、屋根カバー工事の費用相場をしっかりと把握するようにしましょう。
ガイソー山梨店では現地調査・見積もりを作成を無料で行わせていただいておりますので、ご自宅の屋根カバー工事を検討されている方は、ぜひお気軽にガイソー山梨店にご相談ください!(*^^*)