外壁塗装の塗料7種類を解説!|費用、耐用年数、メリット・デメリット

こんにちは☀
ガイソー山梨店です!

外壁塗装工事を成功させるためには、ご自宅の状態やお客様の希望に合った塗料を選ぶことが重要です。
しかし、外壁塗料には「アクリル塗料」や「ウレタン塗料」、「シリコン塗料」、「フッ素塗料」などといったように、非常に多くの種類が存在します。
塗料ごとのメリット・デメリットを把握していないと、ご自宅や希望に合った塗料を見つけ出すことができません。それどころか、不適切な塗料を選択してしまったことで施工不良につながる恐れもあります。

そこで今回は、「外壁塗料ごとの期待耐用年数や費用、メリット・デメリット」について解説していきたいと思います!
ご自宅の外壁塗装工事を検討されている方は、ぜひ参考にしてください!

塗料の種類(グレード)

前述の通り、外壁塗装工事で用いられる塗料には様々な種類が存在します。
塗料は使用された素材によって「シリコン塗料」や「フッ素塗料」などのグレードに分けられています。

一般的な塗料のグレードは以下の通りになります。

  1. アクリル塗料
  2. ウレタン塗料
  3. シリコン塗料
  4. フッ素塗料
  5. 無機塗料
  6. ラジカル塗料(ラジカル制御型塗料)
  7. 光触媒塗料


グレードごとの期待耐用年数・費用を表にまとめると、以下のようになります。

種類(グレード)期待耐用年数費用
アクリル塗料約4~6年約1000~1300円/㎡
ウレタン塗料約6~10年約1500~2500円/㎡
シリコン塗料約10~15年約1800~3000円/㎡
フッ素塗料約15~20年約3500~5000円/㎡
無機塗料約20~25年約5000~5500円/㎡
ラジカル塗料約12~16年約2200~4000円/㎡
光触媒塗料約15~20年約3500~5500円/㎡

表を見ていただければわかるように、期待耐用年数が長い塗料ほど費用も高くなります。
そのため、「とにかく工事費用を安く抑えたい!」という方が安価なアクリル塗料やウレタン塗料を希望される場合があります。
しかし、安価な塗料はとにかく耐久性・耐候性が低いことから、4~5年おきに塗り替え工事が必要となります。1回の工事費用は安くても、数年おきに塗り替え工事を行うのであればトータルの工事費用は高くなってしまいます。

一方、高価な塗料は耐久性・耐候性に優れているので、一度塗装すれば十数年近くにわたってメンテナンスフリーとなります。トータルの工事費用を安く抑えられることから、長い目で見たら高価な塗料の方が経済的であるケースも少なくありません。

このように、塗料を選ぶ際に費用だけに注目してしまうと、工事費用を安く抑えるつもりが逆効果となってしまうことがあります。
期待耐用年数や塗料ごとの特徴、メリット・デメリットをすべてチェックした上で比較検討することが大切です。


塗料のグレードごとの期待耐用年数・費用を比較したところで、ここからはグレードごとのメリット・デメリットをご紹介していきたいと思います!

①アクリル塗料

アクリル塗料とは「アクリル樹脂を主成分として作られた塗料」のことで、「アクリル樹脂塗料」と呼ばれる場合もあります。
アクリル樹脂は非常に高い耐候性・透明性を持っているだけでなく、加熱による変形や切断が容易に行えます。そのため、塗料以外の幅広い分野で活用されている合成樹脂となります。

アクリル塗料はホームセンターなどで簡単に購入できることから、DIYでの需要が高まってきています。


アクリル塗料のメリット

アクリル塗料のメリットとして、以下の2点が挙げられます。

  1. 安価で施工できる
  2. 塗装初心者でも扱いやすい


アクリル塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約1000~1300円とされており、塗料の中で最も安価です。

また、アクリル塗料のほとんどは「1液型塗料(主剤に希釈剤を混ぜ合わせて使用する塗料)」であり、塗装する直前に主剤と希釈剤を混ぜ合わせればすぐに使用することができます。
その上、「塗料の伸びが良い」「乾燥が速い」「翌日以降も使い回せる」といった特長を持っていることから、塗装初心者でも扱いやすい塗料であると言えます。
そのため、DIYでの需要が年々高まってきているのです。


アクリル塗料のデメリット

一方、アクリル塗料には以下のようなデメリットが存在します。

  1. 定期的な塗り替え工事が必要
  2. ひび割れが発生しやすい


アクリル塗料がなぜ塗料の中で最も安価なのかというと、期待耐用年数が塗料の中で最も短いからです。
アクリル塗料は耐久性・耐候性がかなり低く、雨風や紫外線によってすぐに塗膜が劣化してしまいます。塗膜の劣化を放置すると外壁材の劣化や外壁内部の雨漏りの発生につながることから、塗り替え工事によって塗膜を新しく形成する必要があります。
いくら安価で施工できるといっても、4~5年おき、劣化具合によっては3年ごとに塗り替え工事を行うとなると、トータルの工事費用は高くなってしまいます。
場合によってはシリコン塗料やフッ素塗料よりも費用がかさんでしまうこともあるので、外壁塗装工事で用いられることは現在ではほとんどありません。

また、アクリル塗料は「ひび割れが発生しやすい」というデメリットも持っています。
アクリル塗料に配合されている可塑剤(塗膜に弾性・柔軟性を持たせている添加剤)が経年劣化によって抜け出してしまうことで、塗膜が外壁材の振動・収縮に追随できず、やがてひび割れてしまうのです。


アクリル塗料のメリット・デメリット|費用・耐用年数・特徴について解説!


②ウレタン塗料

ウレタン塗料は「ウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂)を主成分として作られた塗料」で、「ウレタン樹脂塗料」と呼ばれることもあります。
ウレタン樹脂は「イソシアネート基」と「水酸基」の化学反応によって生成された合成樹脂であり、優れた弾力性・柔軟性・耐摩耗性を有しています。


ウレタン塗料のメリット

ウレタン塗料のメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  1. 安価で施工できる
  2. ひび割れが発生しにくい
  3. 密着性に優れる
  4. 仕上がりが美しくなりやすい


ウレタン塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約1500~2500円であり、アクリル塗料に次いで安価です。

また、ウレタン塗料は弾力性や柔軟性、密着性に優れる塗膜を形成するので、「ひび割れが発生しにくい」「下地の素材を選ばずに塗装できる」といったメリットも持っています。
特に密着性の高さによって塗膜の剥がれを未然に防ぐこともできるため、塗装初心者でも綺麗に仕上がりやすいです。


ウレタン塗料のデメリット

一方、ウレタン塗料は以下のようなデメリットも持っています。

  1. 耐久性・耐候性が低い
  2. 汚れが付着しやすい


アクリル塗料ほどではありませんが、ウレタン塗料も耐久性・耐候性が低いことから、期待耐用年数も約6~10年と短めです。
特にウレタン塗料は紫外線に弱く、製品によっては塗膜が黄色に変色(黄変)してしまう場合があります。

また、ウレタン塗料が形成する塗膜は柔らかいので、空気中を漂うチリやホコリ、ゴミなどが付着しやすいです。
一度付着するとなかなか除去できないため、外壁の美観がどんどん損なわれてしまいます。


ウレタン塗料のメリット・デメリット|費用・耐用年数・耐候性について解説!


③シリコン塗料

シリコン塗料は「シリコン樹脂を主成分として作られた塗料」であり、アクリルがベースとして配合されていることから「アクリルシリコン塗料」で呼ばれることもあります。
シリコン樹脂は「シロキサン結合」と呼ばれる強固な結合によって構成されており、優れた耐久性・耐候性を有しています。


シリコン塗料のメリット

シリコン塗料のメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  1. コストパフォーマンスに優れる
  2. 耐候性が高い
  3. 汚れが付着しにくい
  4. 仕上がりが美しくなりやすい


シリコン塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約1800~3000円であり、期待耐用年数は約10~15年とされています。
塗料の中でもコストパフォーマンスに優れていることから、外壁塗装工事で非常に人気な塗料となります。

また、シリコン樹脂を構成しているシロキサン結合は、紫外線の破壊エネルギーを上回るほど強固な結合を有しています。
紫外線による塗膜の劣化が起こりにくいので、色あせやチョーキングなどの症状の発生を防止し、長期間にわたって外壁の美観を維持することができます。


シリコン塗料のデメリット

一方、シリコン塗料は以下のようなデメリットも持っています。

  1. フッ素塗料よりは性能が低い
  2. ひび割れが発生しやすい


シリコン塗料は塗料の中で最も人気と言っても過言ではありませんが、性能も一番高いというわけではありません。
耐久性や耐候性の高さ、期待耐用年数の長さなどはフッ素塗料に劣るため、「高性能な塗料で塗装したい!」という方はフッ素塗料による塗装工事がおすすめです。

また、シリコン塗料が形成する塗膜は弾性・柔軟性が低いことから、外壁材の膨張や収縮、地震による振動などでひび割れてしまう可能性があります。
外壁材がモルタルやコンクリートの場合、シリコン塗料で塗装すると塗膜のひび割れが多発し、頻繁な補修工事が必要となってしまうので注意しましょう。


シリコン塗料のメリット・デメリット|価格・耐用年数・人気が高い理由について解説!

④フッ素塗料

フッ素塗料とは、「フッ素樹脂を主成分として作られた塗料」のことです。
フッ素樹脂は合成樹脂の中でもトップクラスの耐候性を持っており、他にも耐熱性・耐摩耗性・絶縁性に優れています。
また、フッ素樹脂には「3フッ化型フッ素樹脂」と「4フッ化型フッ素樹脂」の2種類が存在し、後者の方がより優れた耐候性を有しています。


フッ素塗料のメリット

フッ素塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  1. 期待耐用年数が長い
  2. 汚れが付着しにくい
  3. 光沢が長持ちしやすい


フッ素塗料は非常に優れた耐候性を有しており、雨風や紫外線による塗膜の劣化が起こりにくいです。
そのため、期待耐用年数も約15~20年と長めです。一度塗装すれば十数年にわたってメンテナンスフリーな外壁となります。

また、フッ素塗料が形成する塗膜は親水性・絶縁性を持っているので、外壁の美観を長期的に維持することができます。


フッ素塗料のデメリット

一方、フッ素塗料は以下のようなデメリットも持っています。

  1. 工事費用が高くなりやすい
  2. ひび割れが発生しやすい


フッ素塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約3500~5000円とされており、シリコン塗料に比べるとかなり高価です。
とはいえ、トータルの工事費用はアクリル塗料やウレタン塗料に比べて安くなりやすいので、この点はあまり気にしなくてもいいかもしれません。

フッ素塗料が形成する塗膜は柔軟性が低いことから、「ひび割れが発生しやすい」というデメリットを有しています。
外壁材がモルタルやコンクリートの場合、フッ素塗料で塗装するとひび割れが多発し、期待耐用年数まで塗膜が保たない可能性があります。


フッ素塗料のメリット・デメリット|費用・耐用年数について解説!


⑤無機塗料

無機塗料とは「無機物(無機化合物)を主成分として作られた塗料」のことで、主にケイ素やセラミックが用いられています。
無機塗料は無機物だけで構成されているわけではなく、一定以上の有機物を配合する必要があります。そのため、有機塗料とは別物と認識されやすい無機塗料ですが、厳密に言えば有機塗料の一種となります。


無機塗料のメリット

無機塗料のメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  1. 耐候性に優れる
  2. 汚れが付着しにくい
  3. カビやコケが繁殖しにくい
  4. 燃えにくい


無機塗料は有機塗料に比べて非常に優れた耐候性を持っています。
そのため、期待耐用年数は約20~25年と非常に長いです。

また、無機塗料は親水性(水との親和性)を有していることから、雨水によって外壁に付着した汚れが浮かび上がり、綺麗に流れ落ちるようになります。
有機物の含有量が少ないことでカビ・コケも繁殖しにくいので、外壁の美観を長期的に保つことができます。


無機塗料のデメリット

一方、無機塗料には以下のようなデメリットも存在します。

  1. 価格が高い
  2. ひび割れが発生しやすい


無機塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約5000~5500円とされており、塗料の中でもトップクラスに高価です。
最も安価なアクリル塗料と比較すると約3000~4000円ほど高いため、外壁塗装工事の総額では何十万円もの差が出ることになってしまいます。

また、無機物は柔軟性に乏しいことから、外壁材の動きに追随できずに塗膜がひび割れてしまう可能性があります。


有機塗料・無機塗料・ハイブリッド塗料のメリット・デメリット


⑥ラジカル塗料

ラジカル塗料とは、「特殊な加工が施された酸化チタンと光安定剤(HALS)が配合されている塗料」のことです。
「ラジカル」という物質による塗膜の劣化を防止するために、特殊な酸化チタンと光安定剤によってラジカルを無害化させます。

ラジカルについては過去のコラムで解説させていただいておりますので、興味を持たれた方はそちらもご参照ください。
(「塗膜を劣化させるラジカルとは?|ラジカルが発生する理由と対策方法」)


ラジカル塗料のメリット

ラジカル塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  1. コストパフォーマンスに優れる
  2. チョーキングの発生を防止できる
  3. 汚れが付着しにくい


ラジカルによる塗膜の劣化を抑制できるので、ラジカル塗料の期待耐用年数は約12~16年と、シリコン塗料よりも長持ちしやすいです。
また、ラジカル塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約2200~4000円とされており、塗料の中でもコストパフォーマンスが高いです。

さらに、ラジカル塗料が形成する塗膜は低汚染性に優れるため、汚れやカビ・コケが発生しにくいです。
「外壁の美観を長期的に保ちたい」という方におすすめな塗料です。


ラジカル塗料のデメリット

一方、ラジカル塗料には以下のようなデメリットも存在します。

  1. 販売されたばかりで実績が不十分
  2. カラーバリエーションが限られる


ラジカル塗料が販売開始されたのは2012年なので、まだ10年ほどのデータしかありません。
シリコン塗料やフッ素塗料に比べると実績が不十分であるため、その点を不安に感じる方は他の塗料で塗装されることをおすすめいたします。

また、ラジカル塗料には白色顔料である酸化チタンが必ず配合されているため、「カラーバリエーションが限られる」というデメリットも存在します。


ラジカル塗料のメリット・デメリット|費用・耐用年数・特徴について解説!


⑦光触媒塗料

光触媒塗料とは、「光触媒(光に当たると特定の化学反応を促進させる物質)を主成分として作られた塗料」のことです。
光触媒塗料に配合されている光触媒は酸化チタンであり、「酸化」と「還元」によって非常に強力な分解力を発揮します。
酸化チタンの優れた分解力により、外壁に付着した汚れやゴミ、大気汚染物質などを分解することができます。


光触媒塗料のメリット

光触媒塗料のメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  1. 外壁を綺麗な状態で維持できる
  2. 空気清浄効果が期待できる
  3. 耐用年数が長い


前述の通り、光触媒塗料は酸化チタンの優れた分解力により、外壁に付着した汚れやゴミ、大気汚染物質を分解することができます。
外壁の美観を長期的に維持できる上に、ご自宅周辺の空気をまとめて綺麗にできるので、「空気が澄んだ場所に住みたい」という方におすすめです。

また、光触媒塗料の期待耐用年数は約15~20年とされており、フッ素塗料と同じくらい長持ちします。


光触媒塗料のデメリット

一方、光触媒塗料には以下のようなデメリットも存在します。

  1. 施工が難しい
  2. すべての汚れは分解できない
  3. カラーバリエーションが限られる
  4. ひび割れが発生しやすい


光触媒塗料は開発されたばかりの塗料なので、施工経験が豊富な業者はまだ少ないです。
さらに、光触媒塗料の塗膜は粘度が低いことから、職人の腕前によっては塗膜が垂れて汚い仕上がりになってしまいます。
施工の難しさにより、光触媒塗料の費用相場は外壁1㎡あたり約3500~5500円と高価です。

また、光触媒塗料が分解できる汚れは有機物に限られるので、無機物の汚れ(サビや砂埃、エフロレッセンスなど)は分解できません。それらの汚れは人の手で除去する必要があります。


光触媒塗料のメリット・デメリット|価格・耐用年数・空気清浄効果について解説!


まとめ

以上、外壁塗料ごとの期待耐用年数や費用、メリット・デメリットについて解説させていただきました。
各塗料についてもっと詳しく解説しているコラムへのリンクが貼られているので、気になる塗料がありましたらぜひコラムもご参照ください。

塗料選びの際は、費用だけでなく期待耐用年数やメリット・デメリットを比較検討する必要があります。
塗料について少しでも分からないことがあれば、ぜひお気軽にガイソー山梨店にご相談ください!(*^^*)